今回もお金の歴史について学んでいこうと思います。
今回の記事を読むことで、お金が現在どうなっているのか、また、運用しなければ価値が下がってしまう理由を理解できるので、ぜひ最後まで読んでください。
前回は、お金の歴史(前編)でした。
①物々交換
②物品貨幣
③金属貨幣
④兌換紙幣
⑤不換紙幣
⑥仮想通貨・デジタル通貨など
お金の歴史は、人類が不便なことを解決してきた歴史でした。
金属貨幣とは、金・銀・銅など、貴重な金属を用いた貨幣です。
貨幣として、一定の進歩を遂げた金属貨幣にも、課題が見つかります。
それが、金属は重いということでした。
たくさんの物や高価なものを買おうとするとき、大量の金属が必要になります。
その時に、重く持ち運びが不便であるという課題がありました。また、金属は、重量を図り必要な重さに分けることができないので、細かな価値を表す価値の尺度としての機能が不十分でした。
そこで、金と交換することを約束した証明書=紙幣が登場します。
国や政府などが、金との交換を約束した証明書になるので、それ自体が貨幣として役割を果たすようになります。このように、金などと交換することを約束された紙幣のことを兌換(だかん)紙幣と呼びます。その中でも、金と交換することを約束した紙幣を利用した経済体制のことを金本位制と言いました。この金本位制が登場した当初、最も戦争に強く、多くの金を保有していたのがイギリスだったので、イギリスのポンドを中心として、世界経済が回っていくようになります。
ちなみに、日本では、銀との交換を約束した紙幣を利用したので、銀本位制が採用されます。
このなごりで、銀行と呼ばれているということになります。
さて、いよいよ金属が貨幣としての役割を果たし、さらに持ち運びが不便だという課題を解決した
兌換紙幣が登場し、お金は、安定した役割を果たすようになります。
しかし、それでもお金にまつわる人類の課題は、解決しませんでした。
それは、紙幣は、保有している金の量と同等にしか作れないということでした。イギリスの産業革命以降、急速に進歩する世界経済に対して、金の保有量と同等の紙幣しか作ることができないと、お金が十分に流通せず、経済の発展の妨げになるようになります。
そこで、登場するのが、不換紙幣です。不換紙幣は、国や政府が価値を保証しますが、金との交換が約束されていない紙幣です。この紙幣で金を「買う」ことはできますが、一定の量の金との交換は、約束されていません。ですので、現在も金の購入価格は、日々変化しています。
このように、金の保有量と関係なく紙幣を発行できる不換紙幣が登場し、各国は、たくさんの紙幣を発行することで、経済活動が活発になるようにしました。
こうして、現在のように不換紙幣を利用し、政府が発行したいだけの紙幣を発行できる仕組みが整います。ただし、ここにも問題が発生します。それは、不換紙幣は、金との交換が約束されておらず、金の保有量とは無関係に発行できることで、紙幣の価値が下がる(インフレ)を起こすという問題です。
世界中で、より多くの紙幣が発行されている現在の社会では、日々インフレを起こし、お金の価値は、徐々に下がっていきます。つまり、お金に対して、物の価値は少しずつ上昇してしまうようになりました。具体的に言うと、明治時代では、円の価値が今の3700倍の価値があったと言われているので、同じ1万円でも、現在の1万円で買えるものに対して、明治時代では今の3700万円分の価値を買うことができたということです。仮に、明治時代から1万円を貯金していたら、現在も1万円です。
このように、不換紙幣になることで、日々お金の価値が下がるようになりました。結果、お金の役割の一つである、価値の貯蔵手段という役割を果たすことができなくなります。こうしていつしか、金との交換券であった紙幣が金との交換約束されていないただの紙切れへと変わり、単なる紙切れが国が発行したものだからと皆が信じるようになっていったのです。だからこそ、現在の経済システムでは、お金を物に交換(株や金、債券などを購入、資産運用する)しなければ、今保有するお金の価値は下がり、将来購入することのできる価値は、減少してしまうことになります。
お金の価値が下がり続けている現在の社会では、資産運用をしなければ、より生活は苦しくなるということです。ということで、次回以降は、具体的にどのようにすれば良いかについてまとめていこうと思います。
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